心のきよい者は神を見る

「あなたには、わたし以外に、

　ほかの神があってはならない。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 出エジプト２０：３

＜心のきよい者は神を見る＞　　　　　　マタイ５：８

　イエス様が「神を見るから」と祝福を宣言された心のきよい者とは、どのような人のことなのでしょうか。詩篇の作者であるダビデは、心のきよい者について次のように詠っています。「だれが主の山に登り得るのか。だれが聖なる御前に立てるのか。手がきよく心の澄んだ人そのたましいをむなしいものに向けず　偽りの誓いをしない人。その人は　主から祝福を受け　自分の救いの神から義を受ける。」  ここでダビデが詠っている「心の澄んだ人」とは、第三版の聖書では「心がきよらかな者」と訳され、山上の祝福の「心のきよい者たち」と同じものです。ダビデが詠っている心のきよらかな者もイエス様が幸いだと言われた心のきよい者も、行為においても、動機においても、潔白、無罪で、二心がなく、包み隠しがないという意味です。果たして、このような人が存在するのでしょうか。残念ながら、罪を持つ人間には、生まれながらにしてそのように心のきよい者はいません。

聖書は言っています。「義人はいない。ひとりもいない。」ローマ３：１０「人の心は何よりもねじ曲がっている、それは癒しがたい。」エレミヤ１７：９　では、生まれながらに罪の性質をもつ人間が、イエス様が「神を見る」と祝福された心のきよい者になることができるのでしょうか。確かに、人間の努力や善行では出来ないことですが、神様には不可能なことはありません。心がきよめられるためには、神の新しい創造の御業が必要です。イエス様を信じる時、その人は霊的に新しく造り変えられ、新しい心も与えられるのです。

「だれでも、キリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古い者は過ぎ去って、見よ、すべてが新しくされました。」（Ⅱコリント５：１７）

 罪が赦され、主にあって新しい人と造り変えられる…これが新しい創造の御業です。

イエス様が幸いだと祝福された者たちが「神を見る」と宣言されたのは、やがての天の御国において、人間が完全に神様と相見ることである。日ごとに示されるみことばに聞いて従い、神様と交わる良き習慣を豊かに深めながら、絶えず主を求め、主との交わりに生き、心から主を愛する者が、主にあってきよめられる「聖化」の恵み、きよいお方に似た者に変えられ、神の御業を体験させて頂ける恵みに与り続ける者でありたいと願います。真実な神様は、その者に「神を見る」という約束を、完全に成就してくださるのです。