神の子は平和をつくる者

「主が私たちとともにおられるのだ。

　彼らを恐れてはならない。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　民数記　１４：９

＜神の子は平和をつくる者＞　　　　　　マタイ５：９

　平和は、待っているだけでは実現しないものなのです。イエス様は言われました。「平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです。イエス様は、イスラエルの国を再興するために来られたのでも、戦争のない世界をつくるために来られたのでもありません。イエス様は、神と人間の間に平和、和解をもたらすために来られたお方なのです。

聖書で神様は「平和の神」と呼ばれているように、平和の根源は神にあります。この平和の敵、平和を壊すもの、それが罪です。罪は、人と人との関係を壊すということだけではなく、私たちを神様から引き離します。罪は、神と人との隔ての壁となり、私たちが神様に背を向け、神様との平和を失わせるものです。
   人間は、神様の存在を無視し、神様に敵対して自分中心に生きようとする罪に汚れたものであり、その罪のために滅びゆく存在です。道徳的に正しく立派であるとか、法にふれる罪を犯していないとかの問題ではなく、神様の御前には、神様との平和を失っている、罪ある存在なのです。それ故に、人間が真の平和を得るために、この罪が取り除かれるために、父なる神様は、御子イエス様を地上に送ってくださったのです。イエス様が十字架に架かられたのは、罪のない神の御子が、人間に代わって、ご自身の罪のない血を流し、人間の罪の罰を代わりに受けて、十字架の血によって平和をもたらし、人間の罪を取り除いて、神様との和解を得させて下さるためでした。
    弟子たちが伝えた福音は、イエス様が十字架の死と復活を通して、神と人との和解を実現し、信じた者たちを「平和をつくる者」に変えてくださるという喜びのメッセージです。さらに、「平和をつくる者」に変えられた一人一人が、平和を失っている者たちの間に遣わされることにより、福音による平和をもたらして、「神に栄光が帰される」という素晴らしい祝福の約束です。

　イエス・キリストを、平和の君として心に迎え、神様が与えてくださったキリストの平和に自分を委ね、生きていくとき、私たちは、神の子どもとして成長し、イエス様のお姿にならって「平和をつくる者」となることができるのです。