メシヤの試み

「わたしが与える水を飲む人は、
　いつまでも決して渇くことがありません。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヨハネ４：１４

＜メシヤの試み＞　　　　マタイ４：１～１１

　イエス様にとって、公生涯を始める前にどうしても受けなければならなかった悪魔の試みとは、メシヤとしての最初のテストであり、イエス様の宣教そのものにとって、また、キリスト者として生きるものにとって、大きな意味と重要な真理があるものでした。
　第一の試みは、神様への信頼を貫き通すかどうかのテストです。イエス様は、神の御子ですからどんなことでも試み（誘惑）となります。サタンは、空腹であったイエス様に目の前の石をパンに変えて食べらたどうかと誘惑しました。イエス様は、その誘惑に対し毅然として態度で聖書のことばによって立ち向かわれます。人間は、弱い存在です。神様のみこころを求めるよりも先に自分のしたいようにやりたいように行動する者です。しかし、イエス様はいつも父なる神様にどうしたらいいのか。相談しながら主が一番良いことをしてくださると信頼し主の導きに従い続けることを選択しました。
　第二の試みは、人間が神を試みるという誘惑です。サタンは、聖書のことばを活用し、イエス様に神様の約束が真実かどうか試してみたらどうかと囁きます。イエス様は、このサタンの誘惑に対しても聖書のみことばをもって立ち向います。そうです。人間は、神様から試み（テスト）されることはあってもその逆は許されません。自分の立場をわきまえ、被造物として創造主に対する服従する態度を貫く者でありたいと願います。
　第三の試みは、サタンを拝み、政治的支配、権力によって主権を確立し、苦難のしもべとしての道を回避せよとの誘惑でした。イエス様には、十字架の道を回避する選択肢もありました。しかし、イエス様は、「あなたの神である主を礼拝しなさい。主にのみ仕えなさいという神の命令に従うことを選択されたのです。ですから、イエス様は神が定められた苦難の道を通り、私たちに祝福といのちを与える道を選ばれました。私たちが、神様のご命令に本気で従おうとすればするほど、確かに悪魔の攻撃は強くなります。イエス様は、悪魔の試みに、みことばをもって立ち向かわれました。自力では、悪魔の誘惑に打ち勝つことができない、自分の無力さを素直に認め、人間の知恵や力を越えた神の力、みことばをもって勝利されたイエス様に倣って歩んでまいりましょう。