神が用いられる器

「これはわたしの愛する子。 
　わたしはこれを喜ぶ。」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　マタイ３：１７

＜神が用いられる器＞　　　　　マタイ２：１３～２３

　マタイの福音書の特徴の一つは、旧約聖書の預言が多く引用されている事です。旧約聖書の預言がどのようにして成就したのか、イエス・キリストの誕生後に起こった3つの大きな出来事と、そこに関係した人々に目を向けつつ、共に確認しながら、神が用いられる器についてみことばに教えられたいと思います。
　神様は、メシヤ（キリスト）のいのちを守る為に、メシヤの父として選ばれたヨセフの夢の中でエジプトへ逃げるように命令を与えます。ヨセフはその命令に従い、幼子とその母を連れて出発しました。彼は、夢で告げられた通り従ったのです。それは、旧約聖書に預言されてきた出来事の成就となったのです。また、幼子を拝みに来た博士たちに騙されたことが分かるとヘロデ王がベツレヘムの町の二歳以下の男子を皆殺しにせよと命令を出した事もホセア書11章1節の預言の成就としてマタイは記しています。また、ヘロデ王の死後にヨセフたちへ出された帰国命令もマタイはエレミヤの預言の成就として記しています。また、帰国後に再び、神の逃避命令がヨセフに出されますがそれも預言の成就であるとマタイは記したのです。
このように、旧約聖書がメシヤに関して預言した事柄は一つ一つ実現しました。私たちは、この地上で起こる出来事を単なる偶然であると思ってしまいやすいところがありますが、本当はすべての事の背後にこの世界を創造された創造主であられる神様がおられることを覚えたいと思います。神様の存在を認める人によって、もはや偶然はありません。すべては必然として起こる事柄なのです。そして、すべての救いの御業も神のご計画のもとに進められているのです。
私たちも、ヨセフと同じように神様のご計画のために召された者として、すべてのことが共に働いて益となることを体験することができます。それは、神様への愛と従順、信頼と服従により、主に用いられる器と造り変えられるためです。