脱出の道も備えてくださる神
「わたしの願うようにではなく、
あなたのみこころのように、なさってください。」
マタイ26:39
<脱出の道も備えてくださる神> 使徒21:27~40
清めの期間が終わり、供え物を捧げる日時も決まり長老たちが恐れていたことが起らないで済みそうだと安心しかけた矢先に、思わぬところから事件が勃発したのです。その事件を起こそうと企んだ人々は、アジヤから来たユダヤ人たちです。このユダヤ人たちは、パウロがアジヤで宣教していた時にその宣教を妨害し続けてきたユダヤ教徒であると思われます。なぜなら、彼らはパウロと一緒にいたトロピモ(異邦人)のことを知っていた人々だったからです。トロピモは、パウロと共にアジヤから同行してきたエペソ人です。使徒2O:4参照。
アジヤから来たユダヤ人たちは、パウロたちの宣教によりユダヤ教からキリスト教に改宗する者が現れ、ユダヤ教の群れが分裂させられ、自分たちの群れが壊滅状態となったことを恨んでいました。パウロが宣教する先々で追って来ては妨害したのはその為です。彼らは、祭りのためにエルサレムに上って来ていましたが、そこでパウロとアジヤで見かけたことのあるトロピモが一緒に歩いているのを数日前に目撃し、パウロを捕らえ殺す計画を立てたのです。29参照。彼らの計画は実に綿密なものであったことは彼らの行動に現れています。27~30参照。まず、パウロに手をかけ押さえつける者、パウロの犯した罪状を叫ぶ者、同時に群衆を煽り立てる者、さらに、ユダヤ人たちの感情を掻き立て暴動が起こるように仕向ける者、パウロを宮の外に連れ出し、すばやく宮の門を閉じる者がいました。彼らは、騒動に紛れてパウロを殺す手はずになっていたのでしょう。しかし、彼らの企ては思い通りにはなりません。ローマ軍の兵士がエルサレムの町を24時間体制で厳重に警戒していたからです。ですから、町の異変に敏速に対応することができ、パウロの命は危機一髪の所で奇跡的に守られたのです。31~ 3 2 参照。
神様は、使命を与えられた者を守ってくださるお方です。それはパウロだけに限定されたことではありません。私たちも、多くの試練の中を守られ、今、ここに居ることを覚えたいと思います。日本における宣教も、闘いを避けられません。本気で私たちが宣教するならぱ必ず、その働きを妨害する者が現れます。しかし、どのような状況になったとしても、すべてをご支配されておられる神様が試練とともに脱出の道を備えてくださるのです。Ⅰコリント10 :13参照。ですから、安心して主の命令に従う道を選択し、神様がすべてのことを働かせて益としてくださることを体験させていただぎましょう。ローマ8:28参照。