力と愛と慎みの霊
「罪はあなたを恋い慕うが、
あなたはそれを治めなければならない。」
創世記4:7
<力と愛と慎みの霊> Ⅱテモテ1:1~7
この手紙は、迫害の中にあったテモテを励ます為に、死を覚悟したパウロが獄中から贈ったものです。パウロは、テモテのうちに与えられた神の賜物をくすぶらせるようなことがないように、それを再び燃え立たせるように勧めます。なぜなら、神が私たちに与えてくださったものは、おくびょうの霊ではなく、力と愛と慎みの霊だからです。パウロのテモテに対する「愛する子テモテ」という呼びかけの言葉は、彼の励ましとなり、慰めとなって、平安を与え、力と勇気を彼に与えました。また、祈られていることも彼の励ましとなったのです。パウロは、テモテの生育過程を示すことで神様に信仰が与えられていることを感謝することができるように導きます。そして、テモテのうちに与えられた賜物が、力と愛と慎みの霊であることを教え励ましたのです。
テモテのことを良く知っていたパウロ以上に私たち一人一人を知っていてくださるお方がおられるのです。その方はイエス・キリストです。テモテは、迫害が強まる中で恐れを抱き、臆病になっていました。しかし、テモテはパウロからの手紙を読んで自分のうちに聖霊によるキリストの全き愛が与えられていることをもう一度覚えることができたのです。
イエス様の十字架の贖いの故に、すべての罪が赦されている。その事実と確信に立ち返る時、恐れは締め出され、揺るぎない平安で満たされます。地上でどれほど大きな力をもつ権力者も彼らの力の及ぶ範囲は地上のことだけであり、彼らもまた、主の御前にあって裁かれる存在であることを覚える時、まことの主権者である神様だけを畏れ、その神様のご命令に従って生きようと立ち上がる勇気が与えられるのです。殉教を前にしたパウロがテモテに伝えたかったのは、キリストを信じる者には、神ご自身が与えられた賜物を燃え立たせるほどに聖霊の助けがある、だから何も恐れることはない、ということです。
力と愛と慎みの霊は、私たちが自分の努力で獲得するものではなく、イエス様を信じる信仰によってすでに与えれらているものです。私たちは、上から与えられる力を願い、イエス様からいただいた愛の炎が燃え上がるように祈り、慎みを持って、主の御教えに耳を傾け、主の助けと導きを祈り求めつつ、歩んでいきたいと願います。